蛍光灯の2027年問題とは?早めにLEDに交換する3つのメリットを解説
2025.04.02

2027年末までに、一般照明用の蛍光灯の製造および輸出入が禁止されることをご存じでしょうか?「水銀に関する水俣条約」に基づく規制によるもので、多くの企業や店舗が影響を受ける場合があります。
本記事では、2027年問題の背景や影響、蛍光灯からLEDへの早めの切り替えのメリットについて詳しく解説します。早めに対応することで、コスト削減や補助金活用のチャンスを逃さず、スムーズな移行が可能です。
関東地方(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・群馬県・栃木県・茨城県)であれば、蛍光灯からLEDへの切り替えに対応可能な専門業者をご紹介できます。施工や補助金申請のサポートにも対応しているため、お気軽にご相談ください。
蛍光灯の2027年問題とは?
2022年に開催された「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」において、水銀を含む製品の製造と輸出入を禁止することが決定されました。この会議は、水銀による環境汚染や健康被害を防ぐために世界各国が協力して開催した国際会議です。
この規制は、環境や健康への影響を考慮したものであり、蛍光灯も対象に含まれています。この決定により、一般照明用の蛍光灯(蛍光ランプ)の製造および輸出入が、2027年末までに禁止されました。
また、主要メーカーは2027年9月末までに蛍光灯の生産を終了する方針を発表しています。現在使用されている蛍光灯の多くが今後入手困難になるため、企業や店舗では計画的な買い替えが必要です。
今使用している蛍光灯の寿命が尽きたら、交換用の新しい蛍光灯が手に入らなくなることが予想されます。特に、オフィスや商業施設では大量の蛍光灯が使用されており、急な在庫不足や設備更新の遅れによって業務に支障をきたす場合があります。
照明の切り替えには工事が必要となるケースもあるため、早めの準備が重要です。
蛍光灯の種類によって廃止時期が異なる
蛍光灯にはいくつかの種類があり、それぞれ廃止のタイミングが異なります。代表的なものとして、直管蛍光ランプ、環形蛍光ランプ、コンパクト形蛍光ランプです。
これらの蛍光灯は、すでに市場から姿を消している製品もあり、順次生産が終了しています。特に古い施設では、規格の合わない照明器具を使用しているケースも少なくありません。
使用中の蛍光灯のタイプを特定するには、照明器具に表示されている型番を確認するのが最も確実な方法です。「F」の文字が含まれている場合は蛍光灯であり、今後の規制対象となります。
LED照明のメリットは、消費電力が少なく長寿命である点です。電気代やメンテナンスの手間を削減することにつながるため、長期的なコスト削減が期待できます。
今後、蛍光灯の生産量減少に伴い、価格上昇や品薄状態が予想されます。なぜなら、生産終了が近づくと、駆け込み需要が発生し、限られた在庫に対して購入希望者が増えるからです。
企業や店舗では、蛍光灯が必要不可欠な設備である場合、早めにLED照明に移行することが望ましいと言えます。
では、なぜ、水銀添加製品がそもそも規制されるのでしょうか?
水銀添加製品が規制される主な理由
水銀添加製品は、主に下記の理由から規制されています。
- 健康に悪影響があるから
- 環境汚染のリスクがあるから
それぞれ見ていきましょう。
健康に悪影響があるから
水銀は適切に管理されないと、健康に影響を与える恐れがある物質です。蛍光灯が破損した際には、内部の水銀が気化して空気中に放出される場合があります。
一般的な家庭用蛍光灯に含まれる水銀の量はごくわずかで、1本の蛍光灯が破損しただけで深刻な影響が生じる可能性は低いです。
しかし、健康被害のリスクがあるため、万が一蛍光灯が破損した場合は、以下の対応が推奨されています。
- 窓を開けて室内を換気する
- 破損した蛍光灯には直接手で触れない
- 紙や段ボールを使って破片を集め、密閉できる容器に入れる
- 自治体の指示に従って適切に処分する
こうした適切な対応により、健康への影響を最小限に抑えられます。
環境汚染のリスクがあるから
不適切に廃棄された蛍光灯から水銀が環境中に漏れ出すと、広範囲にわたる環境問題を引き起こすリスクがあります。
水銀が土壌や水系に入り込むと、生態系全体に悪影響を与えます。特に問題なのは、環境中の水銀が微生物の働きによってメチル水銀という、より毒性の強い形態に変換される場合があることです。
このメチル水銀は食物連鎖を通じて生物の体内に蓄積され、捕食者の体内でさらに濃縮されていく現象を引き起こします。上位捕食者であるほど、体内の水銀濃度が高くなる傾向があります。
特に、水中生物、とりわけ大型の魚類には高濃度の水銀が蓄積されやすいです。これらの魚介類を頻繁に摂取する人間にも健康影響が及ぶため、摂取量に注意する必要があります。
蛍光灯からLED照明に早めに切り替えるメリット
蛍光灯からLED照明に早めに切り替えると、以下のようなメリットが存在します。
- LED照明の値上げ前に変更できる
- 助成金・補助金を検討できる
- 長期的に見ると電気代が節約できる
LED照明に切り替える流れは避けられませんが、早めに対応することは大きなベネフィットです。
LED照明の値上げ前に変更できる
蛍光灯の生産終了が近づくにつれて、LED照明への需要が急速に高まることが予想されます。需要と供給のバランスから、LED照明の価格が上昇する可能性が高いです。
現在のうちに切り替えを進めることで、将来的な値上げ前にLED照明を導入できる経済的なメリットがあります。
また、世界的な原材料価格の高騰も値上げの一因です。特に、樹脂や鋼材などLED照明の製造に必要な材料価格が上昇しているため、照明メーカー各社は既に値上げを実施しています。
例えば、岩崎電気は2025年4月から30%以上の値上げを発表しています。今後さらなる値上げが予想される中、早期の切り替えは経済的な選択と言えます。
助成金・補助金を検討できる
現在、省エネ設備を支援するために、さまざまな助成金や補助金制度が国や自治体などから提供されています。
例えば、省エネルギー投資促進支援事業費補助金や既存建築物省エネ化推進事業などです。
しかし、これらの支援制度には、申請期間や予算枠に限りがあります。切り替えの時期が2027年ギリギリになると、申請が集中して採択率が下がり予算枠が既に埋まってしまうリスクがあります。
また、申請から審査、採択、工事完了までには相応の時間がかかるため、余裕をもった計画が重要です。早めに検討を始めることで、このような支援制度を最大限に活用できる可能性が高まります。
長期的に見ると電気代が節約できる
LEDは蛍光灯と比較して、消費電力が40〜60%程度少ないため、導入後すぐに電気代の削減効果が現れます。例えば、40W蛍光灯と同等の明るさを持つLEDライトの消費電力は、約18Wと、半分以下になることが一般的です。
また、LEDの寿命は蛍光灯の約4倍と長くなります。一般的な蛍光灯の寿命は約10,000時間であるのに対し、LEDは40,000時間以上です。
使用寿命の大幅な延長によって、ランプ交換の頻度が大幅に減少し、交換作業の手間や費用も削減できます。
初期投資コストは蛍光灯より高くなりますが、電気代の削減と交換コストの低減により、通常3〜5年程度で投資回収が可能です。早期の切り替えにより、より長く省エネのメリットを享受できます。
蛍光灯からLEDに交換する工事は必要?
蛍光灯からLEDに交換する際、単純に照明器具を付け替えるだけではなく、工事が必要になるケースがあります。特に既存の照明設備の種類によって、対応方法が異なります。
安定器がついた蛍光灯だと工事が必要
多くの蛍光灯照明器具には「安定器」と呼ばれる装置が内蔵されています。安定器は、蛍光灯を適切に点灯させるために必要な装置ですが、LEDには必要ありません。
むしろ、安定器があることで正常に動作しない場合があります。
そのため、LEDが使えるように「バイパス工事」が必要です。バイパス工事とは、蛍光灯の安定器を迂回(バイパス)して、直接電源からLEDに電気を供給するための配線工事のことです。
この工事を実施しないと、LEDが点灯しなかったり、寿命が極端に短くなったりする恐れがあります。
専門業者への依頼が必要
バイパス工事には、電気工事士の資格が必要です。電気工事は感電や火災のリスクがあり、電気工事士法により無資格者による工事は禁止されています。
そのため、LED照明への切り替えを検討する際は、必ず専門業者に依頼する必要があります。
一般の方が自分で工事することは法律で禁止されているだけでなく、大変危険です。適切な資格を持った専門業者に依頼することで、安全かつ確実な工事を行うことができます。
詳しい工事内容や費用については、下記の記事をご確認ください。
>>「LED工事・led交換工事」(内部リンク)
まとめ:蛍光灯の2027年問題は早めに対応しよう
「蛍光灯の2027年問題」とは、水銀規制により2027年末までに全ての一般照明用蛍光灯の製造・輸出入が禁止されることです。照明設備のLED化は、今後避けられない流れとなるため、計画的な対応が求められます。
早めのLED照明への切り替えには、以下の大きなメリットがあります。
- LED照明の値上げ前に導入できる
- 助成金・補助金を余裕をもって活用できる
- 電気代削減と交換コスト低減の効果を早期に得られる
また、安定器付き蛍光灯からの交換には、専門業者によるバイパス工事が必要です。特にオフィスや店舗では、段階的な交換計画も検討すべきと言えます。
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